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時速15kmで2.4Wってホント?

Published by mabo under on 9:25


ハブダイナモの定格電圧及び定格出力は、6V-2.4W。

自転車の速度が15km/hのときで、タイヤの呼び径が標準車輪用では26、小径車輪用では22の場合の値とする。(JISC9502:自転車用灯火装置)

この条件で使用すれば、
本当に定格どうりの6V‐2.4Wが出るのでしょうか?





ハブダイナモの使用目的は、本来の自転車 灯火装置 としての使い方ではなく、発電した電気をバッテリーなどの蓄電池に溜めて使うことです。

今まで、
『ハブダイナモは交流6V/2.4Wの発電機だから、2.4÷6=0.4 で、定格回転数の時0.4Aが取り出せる。整流回路を通すことで、バッテリーにも充電できるハズ!
だから、ハブダイナモを定格回転まで上げる事が出来れば、2.4Wの発電機が完成する。』
と、安易に考えていました。

本当に定格回転数が得られれば、ハブダイナモは2.4Wを出力することができるのでしょうか?
  
ハブダイナモ水車などを作り、いろいろなデーターをとってきましたが、なかなか思惑どうりの結果が出ず、定格出力を疑問に思ってきました。
そこで、ハブダイナモが本当に定格回転数の時に、定格どおりの出力を出す事ができるのか、詳細を調べてみることにしました。

日本工業規格『JISC9502:自転車用灯火装置』では、ハブダイナモの定格出力について、下記のように記載してあります。


<ハブダイナモの出力特性>

ダイナモの端子電圧は、最小~最大値内になければならない。

①15km  端子電圧と、定格電圧との差は±5%の範囲内でなければならない    
② 5km  端子電圧は、15kmの時の41%以上でなければならない
③30km  端子電圧は、15kmの時の133%以下でなければならない


●はじめに、時速15km時ハブダイナモの回転数がいくつになるのか計算してみます。

JISC9502にある『タイヤの呼び径が標準車輪用では26、小径車輪用では22の場合の値とする。』とあります。
タイヤの呼び径26とは、26インチ相当のタイヤ径のことを言います。
タイヤ径は、26×2.54(1インチ)=66.04cm
66.04×3.14(円周率)≒207cm

で、タイヤの周長は、約2mとなります。

続いて時速15kmを分速に直すと、
15000m(時速)÷60(分)=250m

なので、分速は250mです。

250(分速)÷2(周長)=125 と、なり
ハブダイナモが定格出力を得られる回転数は125RPM(1分間に回る回転数)であることがわかります。

このことから、ハブダイナモが125RPMで回る時、①にあるように、定格電圧(6V)ととの差は、±5%。つまり5.7V~6.3Vまでが許容範囲となります。
②の時速5kmの時は①の41%以上、③の時速30kmと時は、①の133%以下であれば条件を満たす事ができます。

●それでは、測定してみましょう。

JISC9502自転車用灯火装置の規定によれば、ハブダイナモ試験用負荷にはマンガニン線の15Ωを使用するとありました。

そこで、10W15Ωのセメント抵抗で測定をします。
(ハブダイナモは過去の実験でも4W程度までしか出力されませんから、耐電力10Wもあれば十分です)



最初の画像にあるように、ベルトでハブダイナモを回す方法で計測をしました。
回転元はNCフライス盤ですから、回転精度には問題はありません。
ベルトによる伝達ロスも多少はありますが、連続回転による平均値で出しています。


この結果から、

①の時速15kmの時(125rpm)は、電圧が5.8V。6V±5%の許容範囲内に入っています。
②の時速5kmの時(42rpm)は、5.8V×0.41≒2.378V以上ですから、グラフから見て2.4V近辺は、クリアーです。
③の時速30kmの時(250rpm)は、5.8V×1.33≒7.714V以下なので、7.2Vの測定結果もクリアーとなります。

結果、定格出力は5.8V/2.24Wとなりました。
同じ型式のハブダイナモを2つ測定したところ、結果は全く同じでした。
JISC9502の条件を満たしているわけですから、2.24Wも仕方の無い事。スポーツ車用とか一般自転車用などで違いはあるものの、定格±6Vの範囲であることは間違いないようです。

以上、ハブダイナモの定格出力テストでした。

※定格出力は、交流電流時のテスト結果です。整流回路を通して直流に変換するとどうなるのでしょう?

To Be Continued

 

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